【日経QUICKニュース(NQN)】米連邦準備理事会(FRB)は23日、毎年実施している米銀大手へのストレステスト(健全性審査)の結果を公表した。米銀について「引き続き強固な資本水準を維持しており、厳しい景気後退に陥ったとしても家計や企業への融資を継続することが可能だ」とまとめた。
今回のストレステストでは2021年よりも厳しいシナリオとし、商業用不動産と社債市場に大きなストレスがかかる深刻な不況を想定した。景気後退で失業率は10%に達し、国内総生産(GDP)が大きく落ち込むほか、商業用不動産は約40%、株価は55%下落すると前提においた。
金融システムにストレスがかかる厳しい景気後退によって米銀の予想損失総額が6120億ドル(約82兆6200億円)に上ったとしても、テストした全ての銀行で最低限必要な自己資本を確保。自己資本比率は9.7%まで落ち込むと予測したが、この水準でも最低要件の倍以上になるという。