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三菱重工業(7011) 1Qの事業利益は減益だったが想定内。増益トレンドの業績予想に変更なし

QUICK企業価値研究所アナリスト 谷林正行(2022/08/26)

・事業利益の2桁増益が続く見通し
 企業価値研究所の23/3期連結予想事業利益は2100億円(前期比31%増)。従来予想を変更しなかった。1Qは減益で低調なスタートだったが、材料費や物流費などのコスト増と値上げの時間差、ターボチャージャにおける半導体不足や上海ロックダウンの影響など想定の範囲内だったため。今期は航空・防衛・宇宙が伸び悩むが、他のセグメントは増益を見込んでいる。来期以降は各セグメントが増益となり、2桁増益が続くと予想している。

・防衛関連は契約条件が注目ポイント
 23年度の防衛省予算の概算要求額は過去最大となった。注目ポイントは同社が手掛ける巡航ミサイル「21式地対艦誘導弾」の長射程化および1000発規模の量産。ただ防衛関連製品は原則として原価総額に一定の利益を上乗せする「原価計算方式」で利益率は低い。どのような契約条件になるか注視したい。

・23/3期1Qの事業利益は前年同期比30%減
 23/3期1Qの事業利益は149億円(前年同期比30%減)。航空・防衛・宇宙以外は悪化した。

・リスクファクター ~海外大手企業との競争、不採算案件の発生など

・アナリストの投資判断 ~防衛関連、原子力などで注目されていくと考えられる
 当研究所では今後の株価について、株式相場全体の値動きをやや上回るパフォーマンスを想定している。直近の値動きをみると1Qの減益を織り込んだうえで値上がりしており、防衛関連、原子力などで注目度が高まってきたため。これらについて、予算審議などの過程で具体的な内容が明らかとなり、引き続き注目されていくものと考えられる。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

谷林 正行

シニアアナリスト

民生エレクトロニクス、精密機器、総合重機セクター担当


【プロフィール】
東京大学工学部反応化学科卒、山一証券経済研究所入社、ベンチャーキャピタル、格付機関、IRコンサルティング会社を経て現在に至る。
新技術、テーマを中心としたレポート作成やベンチャー企業の将来性の判断、財務面を中心とした企業分析など、過去に携わった業務経験を活かし、様々な視点から対象企業を分析することを心掛けている。


日本証券アナリスト協会検定会員

日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 電気・精密機器、機械専門部会 評価実施アナリスト


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