日本企業の景況感が悪化している。QUICKが11日に発表した10月の「QUICK短期経済観測調査」(QUICK短観)で、製造業の業況判断指数(DI)は前月調査から11ポイント悪化のプラス8だった。悪化は2カ月連続で、1年7カ月ぶりの低水準となった。金融を含む全産業では前月から4ポイント悪化のプラス15だった。
消費者物価指数の見通し(前年比、1年後)は平均で2.0%上昇と、物価見通しの調査を始めた2014年以来で初めて2%に達した。価格が「上昇している」と答えた企業が多いほど上昇する「仕入価格判断DI」、「販売価格判断DI」もそれぞれ全産業で調査開始以来の最高値を更新した。
QUICKでは毎月、全国の証券取引所に上場する企業を対象に業況や事業環境に関するアンケートを実施し、結果をQUICK短観調査としてまとめている。10月調査は9月26日から10月5日まで実施し、264社が回答した。
「円安は減益要因」37%と最多
話題のトピックについて聞く特別調査では、世界的なインフレ下での企業の賃上げ方針や、円安の影響を聞いた。
賃上げについては、賃金が目減りするなかで「従業員の生活防衛と意欲向上のためベースアップを含む賃上げを検討したい」との回答が29%と最も多かった。「優秀な人材の維持と獲得のためにベアを含む賃上げを検討したい」が24%と続き、合わせて半数以上がベアを検討すると答えた。一方、「ベアも一時金の増額も困難で、定昇のみを検討する」との回答も25%あった。
また、円安が進むなか、現在の為替水準が業績に与える影響については「減益要因となる」との回答が37%で最も多かった。「増益要因となる」は18%だった。調査期間中の対ドルの円相場は143~145円台で推移していた。