【日経QUICKニュース(NQN) 佐藤梨紗】ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)が2021年10月に主要国の先陣を切る形で利上げに踏み切ってから1年あまり。以降、インフレ抑制に向けて欧米など主要各国・地域の中銀は利上げを急ピッチで進めてきた。23日に0.75%の利上げを決めたNZでは、政策金利の水準が4.25%へ上昇した。
各国の経済に及ぼす悪影響など、これまでの金融引き締めの累積効果を見定めたいとの考えから、今後の利上げをめぐる姿勢には温度差もみられる。NZ中銀は23日、インフレ抑制に「断固たる姿勢で臨む」と表明。今回の利上げ幅について1%も検討したと明かし、2023年後半には政策金利が5.5%に達するとの見通しも示した。
他方、米連邦準備理事会(FRB)は11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で近く利上げを減速すると示唆。これまでの金融引き締めの累積効果を見定めたいとの考えがにじむ。12月13~14日のFOMCでは利上げ幅がこれまでの0.75%から0.50%に縮小するとの予想が市場では優勢だ。欧州中央銀行(ECB)についても12月中旬の理事会で利上げ幅を0.50%にとどめるとの見方が多い。オーストラリア準備銀行(豪中銀)は11月、金融引き締めが消費を圧迫し、経済成長の鈍化につながるとの見方を示した。