QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/12/14)
・今期は上期減益も1兆円超の最終利益予想を継続
23/3期上期の連結純利益は前年同期比70%減少、会社通期目標1兆円に対しても23%と低進捗。本業収益は堅調だったが、MUFGユニオンバンク(MUB)売却関連の損失計上が響いた。会社側はMUB売却時に戻る予定の特別利益を踏まえると、業績目標に向けて好進捗と説明し、目標を変えていない。
企業価値研究所は23/3期の連結純利益予想1兆500億円を据え置く。MUBの譲渡完了による関連損益の確定、米金利上昇一服による外債損失リスクの低下、円安効果等を勘案した。24/3期、25/3期の利益予想は円安踏まえやや増額。連結純利益は1兆円超が続くとみる。
・自己株取得枠1500億円を設定。追加還元の余地も
財務は懸念の少ない水準を維持。会社は23/3期に連続増配を見込む計画を継続。当研究所は業績予想の期間中、増配が続くとみる。23/3期は3000億円相当の自己株取得を実施し、今般1500億円相当の取得枠も設定。3Qに追加取得枠が設定される可能性もある。資本面に余裕があり、株主還元は一段と強化される余地がある。
・リスクファクター ~外債の含み損拡大など
・アナリストの投資判断 ~日銀の政策修正や還元強化への期待を背景に堅調推移を予想
株価は今年10月中旬から上昇したが、現状の株価指標は同社の過去5年平均に近く、引き続き割高感は薄いとみる。世界経済の減速懸念が浮上していることや、同社の今期業績が減益基調で推移していることは、株価の重荷になるとみる。一方で、日銀の金融政策の修正への期待や、同社の追加的な自己株取得等の株主還元強化への期待の高まりが直近の株価上昇の一因とみており、当面はこれらが下支えとなる形で堅調な株価推移が続くとみる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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