【NQNニューヨーク=川上純平】10日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎メディアのワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー(WBD) △8.2%
バンク・オブ・アメリカが、特に買いを推奨する「US1リスト」に加えた。2022年10~12月期は米経済の減速で広告収入が伸び悩んだとみているものの、今後の広告市場の改善とともに業績も上向くと予想。「長期の成長可能性に引き続き強気」とした。
◎家庭雑貨販売のベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY) △27.8%
スー・ゴーブ最高経営責任者(CEO)が10日、22年9~11月期の決算発表に併せて開催した説明会で、経営の立て直しに向けて人員削減を含めた追加的なコスト削減を進める方針を明らかにした。先週には、数週間以内に日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請する準備を進めていると伝わり、暴落していた。
◎診療所運営のオーク・ストリート・ヘルス(OSH) △27.5%
ドラッグストアチェーンのCVSヘルスが買収を検討していると米ブルームバーグ通信が9日夕に報じた。オーク・ストリートの前日の時価総額を大きく上回る額での買収を検討しているといい、株高期待が高まった。
◎マッチングアプリのバンブル(BMBL) △7.3%
キーバンク・キャピタルが投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた。同業との競争がそれほど激化しておらず、米経済の減速による悪影響が弱まっている点などを評価した。ドル高による海外事業の採算悪化も一巡するとみる。
◎遺伝子解析機器のイルミナ(@ILMN/U) ▲6.2%
9日夕に示した23年12月期通期の増収率見通しが市場予想を下回り、業績の先行きに対する懸念が高まった。アナリストからは「マクロ環境の逆風に対する慎重な見方が予想を大幅に下回る見通しにつながった」との指摘があった。
◎航空機のボーイング(BA) ▲0.9%
モルガン・スタンレーが投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。中国の新型コロナウイルス感染対策の緩和による航空旅客需要の拡大を見越した買いが続き「株価がフェアバリュー(適正水準)に近づいている」と分析した。航空機需要は旺盛だとしつつも、今後の生産や納入拡大には「供給網の混乱が障壁になる」と指摘した。