【NQNニューヨーク=川上純平】18日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎バイオ製薬のモデルナ(MRNA) △3.3%
開発中のRSウイルス感染症に対するワクチンの第3相の臨床試験(治験)で良好な結果が出たと17日に発表した。治験は60歳以上を対象に実施し、せきや発熱など少なくとも2つの症状発症を抑える有効性が83.7%だった。製品化による収益拡大が期待された。
◎運輸のJBハント・トランスポート・サービシズ(JBHT) △5.0%
18日に発表した2022年10~12月期決算は売上高と1株利益が市場予想を下回った。トラック、鉄道など複合的な輸送手段を使う主力の「インターモーダル輸送」の需要が伸び悩んだ。ただ、経営陣が決算説明会で今後の輸送需要の拡大に自信を示し、業績の改善期待が高まった。
◎ドメイン登録とレンタルサーバーのゴーダディ(GDDY) △3.1%
エバコアISIが投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた。「不況に強いビジネスモデルを持っている」と指摘し、経済的な逆風を受けても底堅い成長が期待できるとの見方を示した。他のネット企業と比べて「費用の伸びを抑えている」とし、需要が鈍化してもうまく対応できると評価した。
◎ソフトウエアのマイクロソフト(MSFT) ▲1.9%
18日に従業員1万人を削減する方針を発表した。世界の約5%に相当する。米景気減速で企業のIT(情報技術)投資が鈍っているのに対応する。解雇に伴い12億ドルの費用が発生する。経営環境の厳しさが改めて意識された。
◎ITのIBM(IBM) ▲3.3%
モルガン・スタンレーが投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。IBMは22年12月期の売上高が前期比で1ケタ台半ばの伸びになると予想しているが、米経済が減速するなか、23年12月期についても同水準の成長が見込めるかに「ますます慎重になっている」との見方を示した。
◎地域銀行のPNCファイナンシャル・サービシズ・グループ(PNC) ▲6.0%
18日発表した22年10~12月期決算は1株利益が市場予想に届かなかった。併せて公表した業績見通しも慎重で、経営環境の厳しさが改めて意識された。米景気の先行き不安から融資の焦げ付きに備える貸倒引当金を積み増したのも利益を圧迫した。