【NQNニューヨーク=川上純平】25日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎通信のAT&T(T) △6.6%
25日に発表した2022年10~12月期決算は1株利益が市場予想を上回った。後払い型を中心に携帯契約者数が大きく伸びた。半面、23年12月期通期の1株利益の見通しは市場予想に届かなかった。経営陣は決算説明会で、業績見通しは「非常に保守的だ」と述べた。
◎メディアのニューズ・コーポレーション(NWSA) △5.7%
「メディア王」のルパート・マードック氏が、同業のフォックス(@FOXA/U)と統合させる計画を撤回した。「統合は株主の利益に最適ではない」と判断した。市場でも相乗効果を疑問視する声が出ていたため、統合撤回が好感された。フォックスは2.5%高で終えた。
◎決済サービスのブロック(SQ) ▲0.02%
オッペンハイマーが投資判断を「買い」から「中立」に引き下げ、一時は7.5%下落した。米国の個人消費の伸び悩みで決済の機会が減少し、業績が悪影響を受けると指摘した。ライバル企業との競争激化も株価の重荷になるという。ただ、売り一巡後はハイテク株全体が下げ幅を縮めたのに伴い、押し目買いが入った。
◎ソフトウエアのマイクロソフト(MSFT) ▲0.6%
24日夕に発表した23年1~3月期の売上高見通しが市場予想に届かなかった。景気減速でクラウド事業が減速するとの警戒感が強まり、一時は4.6%下げた。ただ、市場では「業績見通しは保守的で、失望する必要はない」との声が聞かれた。株価は昨年に年間で3割下げ「一段の下落余地は限られる」との指摘もあり、売り一巡後は上昇に転じる場面があった。
◎太陽光発電システムのエンフェーズ・エナジー(ENPH) ▲4.2%
パイパー・サンドラーが投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げで住宅ローン金利が高騰したことなどを背景に米国の住宅需要が落ち込んでいるのに伴い、住宅向け太陽光発電システムの販売が低迷すると指摘した。
◎手術機器のインテュイティブサージカル(ISRG) ▲5.5%
24日夕に発表した22年10~12月期決算は売上高が市場予想を下回った。中国の新型コロナウイルスの感染拡大により、主力の手術支援ロボット「ダビンチ・サージカル・システム」を使った手術件数が伸び悩んだ。決算説明会では中国での新型コロナ拡大の悪影響が継続する可能性への言及があり、業績の先行き不透明感が意識された。
◎電気自動車(EV)のフィスカー(FSR) ▲5.2%
モルガン・スタンレーが25日、投資判断を「中立」から「売り」に、目標株価を8ドルから半分の4ドルに引き下げた。24日終値を45%下回る。EV最大手テスラの積極値下げのあおりを受け、財務体質が悪化するという。「EVはシェアアウト(シェアの奪い合い)のフェーズに入る」と指摘した。競争力の高いテスラは「トップピック」に指定した。