【NQNニューヨーク=川内資子】6日の米株式市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎医薬品の開発・受託製造を手掛けるキャタレント(CTLT) △19.5%
医療機器のダナハーが買収を検討しているとブルームバーグ通信が6日までに報じた。ダナハーは相当なプレミアムを乗せるとも報じており、高値での買収期待が高まった。キャタレントは新型コロナウイルスのワクチン製造で知名度を上げたが、昨年の株価は65%下げていた。
◎人工知能(AI)ソフトのC3ai(AI) △6.5%
AI関連株が買われる流れから前週末までの4営業日で59%上げ、6日も買いが続いた。個人投資家のAI関連株買いが過熱しているとの指摘もあった。ほかにもビッグベアaiホールディングス(@BBAI/U)は17.7%高、サウンドハウンドAI(@SOUN/U)は42.9%高で終えた。
◎電気自動車のテスラ(TSLA) △2.5%
米国で多目的スポーツ車(SUV)の「モデルY」を値上げしたと4日に伝わった。これまでの値下げから値上げに転じたことで需要の回復への期待が高まった。米財務省が3日に税控除の対象となる車両価格の上限を引き上げたため、値上げがしやすくなったとの指摘もあった。
◎決済サービスのペイパル・ホールディングス(PYPL) ▲3.7%
レイモンド・ジェームズが6日、投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。株価は年初来で20%高と大きく上げ、アナリストは「今年は市場シェア低下の見方が強まっていく」と分析した。株価水準は歴史的にみて割高ではないが、市場シェアが低下する可能性が高い現状では買い控えるのが適切という。
◎食肉のタイソン・フーズ(TSN) ▲4.6%
6日発表の22年10~12月期決算で売上高は市場予想ほど増えず、特別項目を除く1株利益は市場予想を大きく下回った。主力の牛肉が価格下落で減収となったのが響いた。決算説明会で経営幹部が「すべての市場が同時に逆風となる初めての体験だった」と述べ、厳しい環境が当面続くとの警戒感が高まった。
◎パソコンのデル・テクノロジーズ(DELL) ▲3.0%
6日に米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で5%の人員削減を見込んでいると明らかにした。昨年10~12月期の世界のパソコン市場が出荷台数ベースで前年同期に比べ3割縮小し、収益低迷が続くと懸念された。
◎金鉱山のニューモント(NEM) ▲4.5%
5日、豪同業大手のニュークレスト・マイニングに買収提案をしたと発表した。買収額は約170億ドル。過去にニュークレストはニューモントによる買収案を「株主にとって十分に魅力的でない」として拒否したことがあり、買収額が膨らみ、財務負担の重さを警戒した売りが出た。