【NQNニューヨーク=稲場三奈】1日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎建機のキャタピラー(CAT) △3.8%
1日に従業員が加盟する全米自動車労組(UAW)と6年間の暫定的な労使契約で合意したと発表した。契約が継続できなければストライキに突入するリスクがあったが、ひとまず回避できたことが好感された。
◎顧客情報管理のセールスフォース(CRM) △2.3%
ロイター通信などが1日、物言う株主(アクティビスト)のエリオット・マネジメントが数人の取締役候補を取締役会に推薦したと報じた。エリオットは1月にセールスフォースの株取得が明らかになっており、経営への関与が株主価値の向上につながると期待された。
◎工業製品・事務用品のスリーエム(3M、MMM) △2.3%
1日に、軍事用耳栓の欠陥で聴力が低下したと訴えていた原告の多くが医学的な基準で十分な聴力を有していることが明らかになったと発表した。訴訟リスクが低下したと受け止められ、買いが入った。
◎太陽光発電のファースト・ソーラー(FSLR) △15.7%
2月28日夕に発表した2022年10~12月期決算は1株損益の赤字幅が市場予想より小さかった。23年12月期通期の売上高見通しは下限でも市場予想を上回る。経営陣は決算説明会で「需要は堅調に推移しており、生産能力の拡大を続けている」と説明した。
◎ホームセンターのロウズ(LOW) ▲5.6%
1日発表した22年11月~23年1月期決算で売上高が市場予想を下回った。インフレや住宅市場の低迷で既存店売上高が減少した。24年1月期通期の売上高見通しは上限でも市場予想を下回る。
◎バイオ製薬のノババックス(NVAX) ▲25.9%
28日夕に発表した22年10~12月期決算と併せて、事業継続が困難になる可能性があるとの注記を決算資料に掲載した。業績見通しに大きな不確実性があるという。新型コロナウイルスワクチン開発で同業のモデルナなどに大きく出遅れていた。10~12月期の売上高も市場予想を下回った。
◎電気自動車(EV)のリヴィアン・オートモーティブ(RIVN) ▲18.3%
28日夕発表の22年10~12月期決算で売上高が市場予想ほど伸びなかった。サプライチェーン(供給網)の混乱が生産を制限した。併せて示した23年予想の生産台数は5万台と22年から約2倍に増やす計画だが、6万台程度との市場の期待には届かなかった。
◎クレジットカード発行サービスのマルケタ(MQ) ▲22.4%
28日夕発表の22年10~12月期決算は市場予想を上回ったが、23年1~3月期の売上高成長率見通しが前年同期比26~28%と上限でも市場予想(29%)に届かなかった。10~12月期の31%から鈍化する。JPモルガンは投資判断を「買い」から「中立」に引き下げ「短期的な逆風が強まった」と指摘した。
◎中国EVの蔚来集団(NIO)(NIO) ▲6.0%
1日発表の22年10~12月期決算で売上高が市場予想に届かず、1株損益の赤字幅は市場予想より大きかった。配送コストやバッテリー価格の高騰、販管費などがかさんだ。23年1~3月期の売上高が市場予想を大幅に下回る見通しとなり、成長鈍化の懸念からも売りが優勢だった。