【日経QUICKニュース(NQN)】外国為替市場で円安・ドル高に弾みがついている。日銀の大規模な金融緩和が長期化するとの見方が強まり、日米の金融政策の差に着目した円売り・ドル買いが増えているためだ。チャート分析の一目均衡表では、日足でみるとドルの対円相場は「雲」を明確に上抜けた。今年2月後半には雲をいったん上抜けたが、ほどなくして欧米の金融システム不安が広がり「リスクオフ」の円高・ドル安へ反転していた。今度の円安・ドル高は本物だろうか。
一目均衡表では過去の一定期間における高値と安値の平均値や中間値をもとに、これまでの値動きが今後どのように影響するのかを示す線を先行スパン1、2という。この2本の線に挟まれたエリアが「雲」と呼ばれ、下値を支持したり上値を抑えたりする抵抗帯として意識される。半面、雲を抜ければ相場の流れに勢いがつきやすい。週足の一目均衡表では、雲がドルからみた下値を強く支持しているものの、依然として相場は雲の中にある。米国の景気減速懸念はなお残っており、ドルの上値は今後、重くなる可能性もある。