日本企業の景況感が改善している。QUICKが15日に発表した6月の「QUICK短期経済観測調査」(QUICK短観)で、製造業の業況判断指数(DI)は前月調査から2ポイント改善のプラス7だった。2カ月連続で改善した。全産業のDIは3ポイント改善のプラス25だった。
現在の円相場について、「想定より円安」と答えた企業の割合から「想定より円高」と答えた割合を引いて算出する「円相場DI」は、全産業で前月比33ポイント上昇のプラス66となった。2022年12月以来の高水準を付けた。
QUICKでは毎月、全国の証券取引所に上場する企業を対象に業況や事業環境に関するアンケートを実施し、結果をQUICK短観としてまとめている。6月調査は6月1日から12日まで実施し、246社が回答した。
円140円台、業績影響はプラスマイナス拮抗
特別調査では、円相場が1ドル=140円台と半年ぶりの円安・ドル高水準となったのを受け、現在の為替水準が業績へどう影響するかを聞いた。「増益要因となる」が22%、「減益要因となる」が24%と拮抗した。「総合的に見て中立」が最多の27%だった。
円安進行が話題となり「悪い円安」などの言葉も広まった昨年10月調査の同じ設問では、「減益要因となる」が最多の37%だった。原材料価格の高騰が落ち着き、円安による輸入物価上昇の悪影響が和らいだことが「減益」企業の減少の背景にありそうだ。
(QUICK Money World 中田真裕)