【日経QUICKニュース(NQN)】東京外国為替市場委員会は19日夕、東京都内で「フォレックス・セミナー」を開催した。講演した東短リサーチの加藤出チーフ・エコノミストは、日銀の植田和男総裁下での金融政策運営について「慎重」と評し、「日銀が、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)を早く変えなくてはと急いでいる印象はない」と語った。現行の金融緩和策の拙速な変更で、ようやくみえてきた2%とする物価目標達成の「芽」を摘んではいけないとのメッセージを発信している、と話した。
日銀が金融政策の修正に踏み切る時期については、円安に対する国民の不満が高まっていない現状を考慮すると「7月の可能性は低い」との見解を示した。国内のインフレ懸念の高まりなどから「次に(政策修正が)意識されるのは10月」と言及。ただ、海外経済の不確実性が高まれば、年内の修正は難しいとの見方を示した。
セミナーでは、「最先端フィンテックの現状と外国為替市場の未来」と題したパネルディスカッションも実施された。登壇した野村証券の水門善之エグゼクティブ・ディレクターは、オルタナティブデータが金融政策にインプリケーション(示唆)を与える可能性があると話した。人工衛星で日本列島の夜間光を測定すれば製造業等の生産活動が推計できる点を例に挙げ、政府統計などでは公表までに1~2カ月程度の時差が生じるところをリアルタイムで解析でき、機動的な金融政策決定につながる可能性があると指摘した。
JPモルガン証券の高田将成クオンツ・ストラテジストは足元の日本株上昇について「トレンドについていくトレンドフォローと、上昇相場への恐怖感からショートカバー(買い戻し)が増えていることが背景にあるのでは」と分析。そのうえで「感情と投資家行動の結びつきを(データ分析で)あぶり出したい」と語った。