野村アセットマネジメントが7月から、インデックス型(指数連動型)の投資信託で業界最安水準の新しいシリーズ5本の運用を始める。6月23日に提出した有価証券届出書で判明した。設定日は7月10日で、販売会社は当初は野村証券のみで、順次拡大を計画している。
新たに投入するのは「はじめてのNISA(愛称:Funds-i Basic)」シリーズ。国内株式型2本と海外株式型3本の計5本(図表参照)で、信託報酬はいずれも各指数に連動するインデックスファンドでは業界最安水準に並ぶ(ETF、DC・ラップ専用を除く)。2024年1月に始まる新しい少額投資非課税制度(NISA)に向けて、低コストのインデックスファンドの品ぞろえを拡充したとみられる。
5本のうち、「全世界株式インデックス(オール・カントリー)」の信託報酬は年0.05775%(税込み)と、その低さが際立っている。同ファンドは、日本を含む先進国および新興国の株式を対象として算出する「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」(通称:ACWI、オルカン)との連動を目指す。同指数に連動する既存のファンドで信託報酬が年0.05775%(同)と低いのは、日興アセットマネジメントが今年4月26日に新規設定した「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」の1本だけだ。
「ACWI」との連動を目指すインデックス型で純資産総額(残高)が最も大きいのは、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、信託報酬を5月11日に年0.11330%に引き下げたばかり。eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というのがコンセプトで、公正な比較対象となる他社の類似ファンドよりも信託報酬が高くならないようにしている。信託報酬の項目に含まれるコストの範囲が異なる「Tracers」が登場したときは、信託報酬の引き下げを見送った。