10日に発表された7月のQUICK月次調査<株式>は、日銀短観で大企業・製造業の業況判断指数(DI)が予想以上に改善したことなどから好感して始まった週ではありましたが、上場投資信託(ETF)分配金捻出に伴う換金売りや米国金利の上昇懸念などから調整入りを感じさせる週での調査となりました。
順張りの姿勢に移行
今年度に入り、海外投資家の大幅な買い越しで強い相場展開が続いていますが、この間の国内市場参加者の投資スタンスの変化を確認してみます。当面の国内株式組み入れ比率を問う設問で「引き上げる合計:かなり引き上げる+やや引き上げる」vs「引き下げる合計:やや引き下げる+かなり引き下げる」の比率の推移を2月調査から7月調査の6カ月間でみてみます。
この結果からは、市場参加者のスタンスは5月を境に、大きく変化しています。4月の相場上昇で一旦ウエート引き下げが優勢となりましたが、5月を分岐点に市場の動きに対し順張りに投資スタンスが変化していることが分かります。その後も、株式市場の上昇に合わせてウエートを高める姿勢が積極化している様子です。
セクター選別にも変化 日銀政策変更への期待高まる?
下記で7月調査でのセクター別投資スタンスの変化を確認してみます。医薬・食品などのディフェンシブなセクターのウエートを下げ、金融、電機・精密、自動車などのウエートを上げており、大きくセクターを変えている様子が分かります。金融の大幅な上昇は7月の日銀金融政策決定会合での政策変更への期待の高まりがありそうです。また、自動車、電機・精密は足元での円安や生産の回復から7月後半より始まる4~6月期の決算発表を期待した動きに見えます。
*オーバーウエートからアンダーウエートを引いた数値を%表示
【ペンネーム:コモちゃん】
調査は7月4日~7月6日にかけて実施し、株式市場関係者137人が回答した。
QUICK月次調査は、株式・債券・外国為替の各市場参加者を対象としたアンケート調査です。1994年の株式調査の開始以来、30年近くにわたって毎月調査を実施しています。ご関心のある方はこちらからお問い合わせください。>>QUICKコーポレートサイトへ