【QUICK Money World 岩切 清司】新型コロナウイルスが感染症法上の5類に移行して初めての夏。数年ぶりとなる恒例イベントが日本各地で開催されました。賑わいを見せる中、企業の取り組みも同じです。京葉銀行(8544)では8月19日、4年ぶりに親子で参加する家族イベントを実施しました。参加した子供たちは銀行業務を体験したうえ、QUICKの資産形成カードゲーム「資産形成王」を使った金融教育の特別授業にも参加してくれました!
練習用のお札で職場体験!
京葉銀行千葉みなと本部2階にある大きなホールには3~6年の小学生28名が集まりました。第1部は銀行員がどんなお仕事をしているのかを学ぶ職場体験の時間です。カウンターに模した長机に座ってお客さんを待つ子供たち。新入行員がお金を数える際に使う練習用のお札でお金の受け渡しをすると、職場体験の現実味が一段と増しました。
さらには参加した子供たち一人ひとりの名前を印刷した名刺を用意するなど、体験させる側の大人たちの「本気度」が伝わってくるかのようでした。その名刺を使って「名刺の渡し方」も伝授したとか。子供たちは間近に社会の中で流れる1シーンを垣間見れたのではないでしょうか。
大人も子供も引いたカードに一喜一憂!
休憩をはさんでいよいよ資産形成王の登場です。銀行の職場体験が面白かったようで、参加者たちの集中力が途切れている様子はありませんでした。資産形成王は1つのテーブルに4人が参加するカードゲームです。今回は1つのテーブルに2家族が座る形となりました。
カードには「分配金」や「デフレスパイラル」といった経済用語が登場します。それらを引くことによって現金や株券、投資信託といった「資産カード」が増減します。小学生には難しいかと思いきや、言葉の意味は分からなくても「現金を1枚追加」とか「全員が株券を手元に1枚だけ残して残りは没収」といったイベントに一喜一憂。子供の引いたカードにお父さん、お母さんものぞき込むように内容を確認し、別々の家族同士が1つになって「資産」の増減を疑似体験していました。
1回目のゲームがあっという間に終わると、次は講義の時間です。今回は金融教育の専門家であるワイズ・アセット・デザインの山口曜一郎先生を講師にお招きしました。冒頭、山口先生から「ゲーム、面白かった人!?」と質問が出ると、多くの手が一斉に上がりました!その流れのまま、まずはゲームに出てきたいくつかの用語を取り上げて簡単に意味を説明。どうしたら資産カードが増えたのか。またどうしたら資産カードが減ったのか。「好景気」や「日経平均株価が過去最低」などのカードがなぜ資産の増減につながったのかもわかりやすく解説してくれました。
また山口先生から好きなカードを聞かれた子供は「10倍株!」と答えていました。嫌いなカードを聞かれた子供は「GDPマイナス成長」や「バブル崩壊」を挙げていました。今まで聞いたこともなかった言葉だと思いますが、小難しい経済の言葉も自然と口から出てくる様子に今回の親子イベントの効果を実感しました。
※「カードゲーム、面白かった人!」の質問に手を挙げる参加者たち
講義は進みます。投資信託も大半の子供が初めて聞く単語の1つ。いざ説明しようとするとこれがまた難しい。そこで山口先生は投資信託をお子様ランチに例えていました。「たこさんウィンナーがいまいちでもオムライスが美味しかったら全体として満足できる」つまり、1つの株券だけを保有するより、いくつかの株券に幅広く投資する投資信託は当たり外れが少ない、と説明してくれました。これらを通して子供たちは資産にはいくつかの種類があることを学べたようでした。講義は一貫して「お金を育てる=すぐには増えない」ということを訴えていました。
カードの意味が少しでも理解できたら2回目のゲーム開始です。ゲームや用語に関する理解度が深まったのか、1回目に比べ回転率が格段に上昇。3回目のゲームに入るテーブルも続出し、会場は終始笑い声で包まれていました。
最後に資産形成王を題材にした夏休みの自由研究の一例も紹介しました。好きなカード、嫌いなカードをそれぞれ選び、その意味や自分のお財布にどういった影響が及ぶのかといったテーマを調べてまとめるというものです。会場を出る際には参加した家族に資産形成王をプレゼント。少しでも夏の思い出として残れば資産形成王としては本望です。
80周年記念行事として
80周年の記念イベントでは地元の飲食店をめぐるデジタルスタンプラリーなども展開されました。預金者に対しては2023年9月29日まで定期預金キャンペーンを開催、投資家に対しては前期に1円の記念配当も実施済みです。同行の熊谷俊行頭取は80周年の特設サイトで「創立90年、100年の未来に向けこれからもプラスアルファを提供し続け、地域の皆様とともに歩んでまいります」との決意を示していました。地元とともにサスティナブルな発展という更なる挑戦が始まったようです。