【QUICK Market Eyes 中山桂一】資産形成をカードゲームで学ぶ「資産形成王®」は6月15日、東京山の手ロータリークラブ主催の奉仕イベント「TOGETHERS(トゥゲザーズ)、ワクワク・ワークショップ」に参加しました。児童養護施設の小学生から高校生までを対象にした職業体験型の同イベントでカードゲームを通じてお金の大切さや金融業界について学んでもらいました。
奉仕イベント「TOGETHERS(トゥゲザーズ)、ワクワク・ワークショップ」
資産形成王
このゲームのルールはいたってシンプル。各プレイヤーが自分の手番で引く経済に関する「イベントカード」が起こす様々な波乱を乗り越えて、10ターンの間に最も多く資産を増やした人が勝者となります。
増やす対象となる資産は「株式」「投資信託」「現金」の3種類。例えば「株価上昇」のカードを引いたら手元に株券カードを持っていた場合、さらに株券を1枚獲得できます。「バブル崩壊」のカードを引くと手元のカードのうち参加者全員を対象に、株券1枚・投資信託3枚と現金を残して全部没収されるというイベントも発生します。資産形成を孫から祖父母まで一緒に遊んで学ぶをコンセプトにQUICKが開発した金融教育の教材です。
ボランティアとロータリークラブ会員で作り上げた職業体験ブース
今回の「ワクワク・ワークショップ」は代々木にある国立オリンピック記念青少年総合センターでの開催。125人のボランティアと山の手ロータリークラブの加盟者57人が集まり11の職業体験ブースを作り上げました。元キャビンアテンダントによる航空機の機内サービスの体験、体験した職業について記事をまとめ、プロのキャスターとともにニュース番組を作り上げる体験などもありました。証券マンでもある同イベントの実行委員長の青柳浩氏は「カードゲームを通じて将来のお金に対する知識を身につけてもらいたい」と語っていました。
事前に参加ボランティアに「資産形成王」を学んでもらった
「し・さ・ん?」の戸惑いからもすぐに順応
「これは『資産形成王』というゲームです」――。続々と集まってきた子供たちにゲームを説明すると、頭のなかで「し・さ・ん?」の文字を浮かべぽかーんとする姿がみられました。それでも熱心にルールを聞いていざ実践。あまり馴染みのない「株券」や「投資信託」のカードを手にしながら、イベントカードの内容を読み上げながら資産を増やしていました。
あるテーブルでは「現金」や「株券」が足りないほどの文字通り「バブル」に。あちらこちらで「すごい資産が増えたよ」「やばい!何そのイベント!」と盛り上がりもみえました。今回は複数の職業体験ができるイベントとなっていましたが、全体を回ったあとに「もう一回やりたい!」と再度カードゲームを体験する子供たちも。むしろ子供たちよりも引率者の大人の方が熱中する姿もありました。
ある子供の引率者は「これからは資産運用の時代だから株券を持っておかないと!」と株券や投資信託のカードを順調に増やすも「日経平均最安値」のカードが出て手持ちの資産はジリ貧に。子供からは「やっぱり現金はある程度持ってないといけないね」と言われてしょんぼりする姿もありました。ボランティアとして現役の証券マンが参加していましたが「お金のプロなのに真剣に6回もやって一度も勝てないよ」という嘆き節も聞かれました。
あるテーブルでは一言も発せずにもくもくとゲームに参加する男の子の姿がありました。ゲームが終了して資産カードを数えると残念ながら負けてしまい、悔しがりながら「これは家でもできないの?」と一言。「どういうイベントがあったら資産は増えたんだろう」と自分でイベントカードを見直し「複利が続くと良いのか?」と、あまり日常では使わない複利という言葉もすっと理解している様子でした。
現役証券マンも驚く中学生の任天堂への投資論
今回、QUICKでは「資産形成王」とともにタブレットでQUICK Money Worldの情報から証券マンの仕事を体験してもらうブースも設けていました。ボランティアの現役証券マンがある中学生の男の子に「任天堂の株価はいくら?」と聞くと、悪戦苦闘しながらも株価を見つけ出していました。
その後「じゃあ任天堂の株は買ったほうがいいかな?」と再び問いかけると、「今は買わない方がいいと思うよ」と一言。理由を聞くと「任天堂は今、新しいゲーム機を開発しているし、新しいゲーム機が発売されたら世界中で売れて株価も上がるからもう少し待ったほうがいいと思う」と現役証券マンも驚く回答でした。
言葉を飲むボランティアをよそにその子は「あ、やっぱりゲーム機が発売される前に任天堂株を買ったほうがいいかもしれないね。だってみんなゲーム機が売れるって分かったら株を買って高くなっちゃうから」とアッパレとしか言いようがない回答となりました。
今回のイベントには21の養護施設から引率者を含め計277人(子供183人、引率者94人)が参加しました。イベント終了間際まで、用意したテーブルには子供たちが集まりカードゲームを通じて資産形成について楽しく学んでいました。カードゲームの経験が未来の資産形成につながるように願っています。