【QUICK Money World 吉野 由希】資産形成を学ぶカードゲーム「資産形成王」は今回、9月26日に東京学芸大学附属世田谷中学校で特別授業を実施しました。東京都が昨年度から開始した「金融リテラシー向上のための講師派遣」事業においてQUICKとして2回目の開催となります。対象は3年生の4クラス、約140名。同校の社会科の授業では「株式会社をつくろう!」といったプログラムを組み込んでおり、株式のことを少なからず知っている生徒さんたちも楽しみながら資産の増える・減るを疑似体験してくれました。
資産形成王とは
このゲームのルールはいたってシンプル。各プレイヤーが自分の手番で引く経済に関する「イベントカード」が起こすさまざまな波乱を乗り越えて、10ターンの間に最も多く資産を増やした人が勝者となります。
増やす対象となる資産は「株式」「投資信託」「現金」の3種類。例えば「株価上昇」のカードを引いたら、手元に株券カードを持っていた場合、さらに株券を1枚獲得できます。「バブル崩壊」のカードを引くと手元のカードのうち参加者全員を対象に、株券1枚・投資信託3枚と現金を残して全部没収されるというイベントも発生します。資産形成を孫から祖父母まで一緒に遊んで学ぶをコンセプトにQUICKが開発した金融教育の教材です。
「現金だけ持っていても増えない」
カードゲームに慣れているのか、大盛り上がりの授業となりました!想定していた「ゲーム所要時間20~25分」よりも早く終えて2回目、3回目のゲームに突入したグループもありました。なかでも「税金」のカードが出たときの反応は印象的でした。カードを引いた生徒さんは現金を支払うので落胆、対して周りの生徒さんは拍手をしていました。資産が減るのは悲しいけど、わたしたちの生活にとって税金は大切なものだと理解されているようですね。
ゲームの後は講義の時間。『資産形成王から学ぶ「資産形成ってナニ?」』では資産の種類やバランス、長期投資の重要性をわかりやすく解説します。今回は銀行の定期預金金利引き上げにも触れながら、資産の増やし方を紹介しました。生徒さんからは「現金だけ持っていても増えない。始めに株で資産を増やしてから売却して現金にすると安心かも」との意見が出ました。まさに分散投資と長期投資。どこでハイリスク・ローリスクを選ぶか、自分のライフステージに当てはめた長期目線の資産運用を考えるきっかけにつながったのではないでしょうか。
学んだ内容を生かしている姿が見られた
今回お申込みいただいた同校の社会科教諭である金城和秀先生は、中学3年生の2学期という大切な時期に今回の特別授業を組み込んでくださいました。その金城先生から特別授業の後に以下のコメントをいただきました。
現在、貯蓄から投資へという大きな流れがある中で、生徒がこの先、必要になるであろう資産形成について、貯蓄、投資信託、株式におけるリスクとリターンの向き合い方や複利の効果など、説明だけではなかなか理解しづらい内容を、カードゲームを通して楽しく学ぶことができました。また、生徒は講話をきいて、リスクの取り方や投資や投機の違いなどを意識して2回目のゲームに取り組み、学んだ内容を生かしている姿が見られました。生徒にとって難しいと感じる金融や経済について少しでも興味・関心が高まったと思います。 |
少しでもご期待に応えられたのなら光栄です。これからも「資産形成王」を使った特別授業で金融教育・資産形成のリテラシー向上に貢献していきたいと思います。