【日経QUICKニュース(NQN)】三菱UFJ(8306)が大幅に反発している。前週末比42円50銭(3.50%)高の1254円50銭まで上昇し、2007年7月以来およそ16年ぶり高値を付けた。三井住友FG(8316)やみずほFG(8411)も年初来高値を更新した。日銀のマイナス金利政策の解除への思惑が広がっていることを受け、銀行の収益が改善するとの見方から買いが入っている。
9日付の読売新聞のインタビューで、日銀の植田和男総裁は「賃金上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てた段階」になった場合、大規模な金融緩和策の柱の1つであるマイナス金利の解除を含む「いろいろなオプション(選択肢)がある」と語った。
8月30日には日銀の田村直樹審議委員が物価目標の達成について「実現がはっきりと視界にとらえられる状況になったと考えている」と発言していた。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「田村委員の発言に続く総裁発言で、日銀内ではマイナス金利の解除について具体的に議論されているのではないかとの観測が強まった」と指摘。そのうえで「マイナス金利をゼロ金利に戻すだけでも短期金利が上昇し、銀行にとっては運用収益が改善するとの思惑から買いを誘っている」とみていた。