【日経QUICKニュース(NQN)】日清粉G(2002)が大幅に続伸している。午前に前週末比261円(14.02%)高の2122円まで上昇し、年初来高値を更新した。2019年11月以来、およそ4年ぶりの高値となる。前週末27日、2024年3月期(今期)の連結最終損益が300億円の黒字(前期は103億円の赤字)になる見通しだと発表した。従来予想(260億円の黒字)から上方修正し、業績拡大を評価した買いが入っている。
SMBC日興証券の高木直実氏は27日付リポートで、食品インフレや良好な需給状況を背景に「米国の製粉事業の収益力が構造的に向上した」と指摘した。オーストラリアでも小麦粉販売が伸びたほか、中食・総菜事業で収益力が改善した。熊本製粉の買収効果も業績を押し上げた。
年間配当は前期実績比2円増の42円と従来予想から1円積み増した。SMBC日興の高木氏は「(27年3月期を最終年度とする)中期経営計画の目標は前倒しで達成する可能性が高まった」としたうえで「株主還元の余地も拡大している」との見方を示した。