【NQNニューヨーク=三輪恭久】米連邦準備理事会(FRB)は10月31日~11月1日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25~5.5%で据え置くと決めた。据え置きは2会合連続。物価上昇率はなおFRBの目標とする水準を上回るものの、落ち着く兆しが見えつつある。足元の長期金利の上昇による引き締め効果も見込まれるなか、経済・物価の動向を見極めながら、政策判断を慎重に進める必要があると判断した。
今後の金融政策運営については、「追加的な情報とそれが金融政策にもたらす影響の評価を続ける」と改めて述べたうえで、「時間をかけてインフレ目標の2%に回帰するために適切となる追加的な引き締めの程度を判断する際には、累積的な金融引き締めに加え、経済活動や物価に影響する時間差、経済・金融市場の動向を考慮に入れる」と従来の考えを強調した。
市場環境については、「家計や企業を巡る金融・与信環境が一段と引き締まり、経済活動や雇用、物価の重荷となっているようだ」と指摘。足元の長期金利の上昇を念頭に「金融(financial)」との文言を追加したとみられる。経済情勢については、「第3四半期(7~9月期)に力強い(strong)ペースで拡大した」と指摘。雇用環境は「年初からは穏やかになったが、なお力強い」との見方を示し物価については「高止まりしている」と指摘。「委員会はインフレのリスクをことのほか注視している」と従来の表現を維持した。