マレットオークションによる”M-Live Auction”と“Sale#231005”、2つのアートオークションが10月5日(木)に開催された。会場を設けず、オンライン上のみで開催されたM-Live Auctionでは、落札予想価格平均14~20万円程度の作品が78点出品された。落札総額は946万5000円(落札手数料含まず・以下同)、落札率は66.67%だった。一方、通常のセール#231005では、落札予想価格平均124~188万円程度の作品が、149点出品された。落札総額は、2億5527万円、落札率は76.51%となった。アートマーケットで活躍する作家はもちろん、国内外でオークションへの出品が珍しい作家も積極的に取り上げられた2つのセールの落札総額は2億6473万5000円、落札率は73.13%を記録した。
落札予想上限を上回る競りに注目
Sale#231005で、落札予想価格を大幅に上回り競り上がったのは、デミトリス・ミタラスの作品、LOT.119《顔(3)》(53.5×45.5㎝、キャンバス・アクリル)。落札予想価格10~15万円のところ、落札予想価格上限の2.8倍となる42万円で落札され、盛り上がりを見せた。ミタラスは、ギリシャを代表する作家の一人で海外の二次市場では多く流通が見られるが、国内での出品は稀である。その希少性も好結果の要因であろう。次いで、高い上昇率を見せたのは、松谷武判の大型作品。LOT.99《作品‘65‐1》(183.1×134.4㎝、パネルにキャンバス・アクリル、油彩、PVA接着剤)は、落札予想価格700~1000万円のところ、落札予想価格上限の2.1倍となる2100万円で落札され、高額かつ活発な競りに注目が集まった。他にも、関根伸夫、マルク・シャガール、李禹煥などが堅調な伸びを見せ、評価が確立された作家の優品が順当に落札された。
草間彌生、「かぼちゃ」が6500万円で落札
日本が世界に誇る前衛芸術家である草間彌生(くさま・やよい,1929-)の価格動向にスポットを当てる。草間は、水玉模様や網模様などを絵画や立体に反復・増殖させて描く特徴的な作風で知られるが、絵画や彫刻、パフォーマンスアートといった美術のジャンルを超えて、詩や文学、ファッションなど様々な分野で活躍が目覚ましい現役の世界的アーティストである。特にカボチャをモチーフにした作品は格別の人気を博している。
今回のセールでは、中盤にオリジナル2点、マルチプル2点、計4点の作品が連続で出品された。いずれも落札予想価格内~予想価格上限を超えて落札されており、4点の落札総額は、8780万円となっている。オークションカタログ表紙を飾った黄色いかぼちゃを描いた作品LOT088《かぼちゃ》(14.0×18.0㎝、キャンバス・アクリル)は、落札予想価格3000~5000万円のところ、6500万円で落札され、本セール内での最高落札額となった。
本作品とモチーフ、色、サイズ、技法が類似した作品の過去の落札データを抽出したACFパフォーマンス指標で動向を読む。2014年は、落札予想価格450~650万円のところ、1000万円で落札されている。翌2015年には、落札予想価格800~1200万円となり、前年から2倍程度の上昇を見せるが、落札価格は横ばいに推移する。以降2018年まで、落札予想価格上限に近い価格で落札されながら緩やかに上昇を続け、落札価格は2000万円程度となる。今回、落札予想価格、落札価格は2~3倍程度大きく上昇を見せた。グラフでは2023年に急騰したようにも見受けられるが、類似作品の出品が無かった為である。他作品の落札データからも、確実に評価が上がってきたことが見て取れ、堅調な推移であることが推察される。
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※次回のマレットオークション開催予定は12月14日
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