【日経QUICKニュース(NQN)】世界の財(モノ)の貿易量が勢いを失っている。オランダ経済政策分析局(CPB)が23日に公表した2023年12月の実質の世界貿易量(10年=100、季節調整値)は前月比1%増と2カ月ぶりのプラスだった。このところ一進一退で、単月では振れやすいため3カ月移動平均をみると、22年後半以降は停滞感が強まっている。
CPBが月次でまとめている世界貿易量の指数は各国の輸出入統計を集めて算出しており、公表は約2カ月後となっている。日本の貿易統計は今年1月分がすでに発表され、それをもとに日銀が推計している実質輸出指数(20年=100、季節調整値)は前月比4.6%減と2カ月ぶりのマイナスだった。足元の振れは大きいが、3カ月移動平均はやはり足踏み感が強い。モノの動きの鈍さは世界経済の不透明感を示している。