三菱UFJアセットマネジメントが26日に公表した「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の運用報告書(2024年4月25日決算)によると、総経費率は年0.11%となり、1年前の前回決算時(23年4月25日決算)の年0.15%から低下した。「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」(日本を投資先に含む)との連動を目指す指数連動型(インデックス型)では最安水準。
同ファンドは通称「オルカン」と呼ばれ、新NISA(少額投資非課税制度)向けで最も人気が高いファンドの1つ。国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETFを除く)では純資産総額(残高)が2番目に大きく、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」への連動型では最大規模をほこる。
今回「オルカン」の総経費率が年0.11%に下がったことで、24年6月26日までに運用報告書で総経費率が確認できた同種のファンドの中で最も安くなった(図表参照)。総経費率は投信会社と販売会社、受託会社(信託銀行)に支払う信託報酬に、その他費用を加えて算出される。「オルカン」の現在の信託報酬は年0.05775%(税込み、目論見書記載の上限値)。前回決算時の年0.11440%(同)から引き下げられ、総経費率の低下につながった。
運用を始めてからの期間が比較的短く、総経費率が未公表のファンドの中には信託報酬が「オルカン」より低いものもあり、今後の運用報告書での公表が注目される。同じ指数に連動するファンドには、信託報酬が年0.05610%(同)と最安の「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド<愛称:楽天・オールカントリー>」のほか、「オルカン」と同じ年0.05775%(同)の「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)<愛称:Funds-i Basic 全世界株式(オール・カントリー)>」、「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」などがある。3本とも23年に設定された新しいファンドで、初回の運用報告書をまだ公表していない。