29日に発表された7月のQUICK月次調査<債券>の特別質問では、日本の金融政策が問われた。国債買入れ減額計画を決定する7月30~31日の日銀金融政策決定会合直前の調査であるため、債券市場参加者の考えを測る重要な参考データであろう。
まず、最も注目されるのが、日銀の国債買入れ減額の予想だが、現在の月間5.7兆円程度が単純平均で1年後3.8兆円・2年後2.6兆円、中央値で1年後4.0兆円・2年後3.0兆円となった。最初の1年でやや多めに減額し、2年後の現行の半分程度とするのが中心的な予想となっている。日銀が7月9~10日に開催した債券市場参加者会合の議事要旨によると、「買入れ額をゼロとすべき」との見解から「一旦5兆円程度まで減額」との見解まで、減額幅については見方がかなり割れているようだ。QUICK月次調査では、単純平均が中央値よりやや小さいもののあまり乖離していないことから、1年後に4兆円程度・2年後に3兆円程度というのが債券市場参加者の中心的な見方と考えて差し支えないのではないか。
次に、残存期間別の減額の進め方については、債券市場参加者会合の議事要旨ではかなり意見にバラツキがあり、中心的な見方が不透明だったが、今回のQUICK月次調査では、「短め中心」49%、「長め中心」25%、「ほぼ均等」27%の回答比率となり、約半分の回答者が「短め中心」と見ていることがわかった。
日銀の債券価格へ与える影響については、定例質問の【問3】の投資主体に関する質問でも確認できる。「政府・日銀のオペレーション」の注目度と価格への影響を掛け合わせた「指数」の推移を示したものが下のグラフである。1996年7月の調査開始以来の最低水準を更新している。
この指数を構成する注目度については、2012~16年に0%近傍から一時80%まで上昇していた。2019年以降は30~70%のレンジで推移していたが、直近は68%と高めになっている。この指数を押し下げているのは債券価格への影響についての見方だ。注目度の高い主体が債券価格にマイナスの影響を与えると予測している回答が多くなっていることが示されている。
この主体には政府も含まれることに注意が必要だが、足もとではやはり日銀への見方が強く反映されていると考えるのが妥当ではないだろうか。
【三井住友信託銀行 マーケット・ストラテジスト 瀬良礼子】
調査は7月23~25日にかけて実施し、債券市場関係者123人が回答した。
QUICK月次調査は、株式・債券・外国為替の各市場参加者を対象としたアンケート調査です。1994年の株式調査の開始以来、約30年にわたって毎月調査を実施しています。ご関心のある方はこちらからお問い合わせください。>>QUICKコーポレートサイトへ