2日に発表された8月のQUICK月次調査<債券>では、債券相場の見通しが強気化した。個別の債券価格変動要因のうち「短期金利/金融政策」の指数が28.1と、7月調査の24.1から上昇した。「海外金利」の指数も67.6と、7月調査の62.5から上昇した。また、指数の水準が低い「短期金利/金融政策」の注目度が75%と、7月調査の90%から低下したこともあり、注目度で加重平均した「債券価格指数」(加重平均)は35.8と、7月調査の26.4から大幅に上昇した。
日米の金融政策の調査結果から見通し強気化の背景を考えてみたい。
まず分かりやすいのがFRBの利下げ観測の高まりである。25年末までのFRBの政策金利見通し(FF金利上限)の平均値は、24年12月末が4.83%、25年6月末は4.26%、25年12月末は3.82%だった。年内約4回の利下げが織り込まれているFF金利先物市場よりは控えめながらも、7月調査では24年12月末が5.03%、25年12月末は4.16%だったことから、利下げ観測が高まった。8月は米長期金利が4%を割り込み、「海外金利」は総じて円債市場の追い風になった。
一方、7月30-31日の決定会合でサプライズ利上げを決めた日銀の政策金利見通しについては、水準が引き上がった。まず、「次に利上げをする時期」の予想については24年12月が約48.2%を占め、25年1月が約31.8%で続いた。25年末までの政策金利は24年12月末が0.38%、25年6月末は0.58%、25年12月末は0.72%だった。6月調査で行った同様の調査では24年12月末が0.30%、25年12月末は0.64%だったことから、見通しは引き上がったことになる。それでも「短期金利/金融政策」の債券価格指数が上昇し、実際に8月は長期金利が低下したのは、利上げの最終到達点のイメージが固まってきたことが背景だろう。25年12月末の見通しについては、平均値は上昇したものの、標準偏差は0.24と、6月調査の0.32から低下した。最終到達点のイメージが固まり、想定外に大幅な利上げが行われる可能性が低下したことが円債市場の強気見通しを増やしたのだろう。
【大和証券 チーフエコノミスト 末廣 徹】
調査は8月27~29日にかけて実施し、債券市場関係者124人が回答した。
QUICK月次調査は、株式・債券・外国為替の各市場参加者を対象としたアンケート調査です。1994年の株式調査の開始以来、約30年にわたって毎月調査を実施しています。ご関心のある方はこちらからお問い合わせください。>>QUICKコーポレートサイトへ