2日に発表された8月のQUICK月次調査<債券>では、特別質問として日本の金融政策や自民党総裁選について調査された。
日銀は7月30-31日の決定会合でサプライズ利上げを決めたが、この決定については「評価する」が66%で、「評価しない」は15%にとどまった。日銀は異次元緩和からの政策正常化を進めているが、市場参加者はこれを好感している可能性が高い。国債買入れ減額の判断についても「妥当」との回答が71%だったが、「もっと減額すべき」も28%の回答を集めたように正常化を望む声は多そうである。また、過度な円安が日本経済に悪影響という見方が多くなっていたことも、利上げの評価を高めた可能性がある。
一方で、日銀の利上げが8月上旬の円高・株安を引き起こしたという見方もあるが(いわゆる「植田ショック」)、債券市場の参加者は日銀の決定が与えた影響は大きくないと考えているようである。「影響を100とした場合の日銀要因の割合」は「20」が36%で最多だった。少なくとも日銀の決定が主因だとみている参加者は多くない。8月7日に内田副総裁が「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはありません」と発言したことについては、「金融政策は市場次第との発言は踏み込みすぎ」との回答が22%あったが、「妥当」が74%を占め、総じて日銀の対応は好感されているようである。
最後に、9月27日に行われる予定の自民党総裁選について、「誰が総裁に選ばれるか」の調査結果は小泉進次郎元環境相が45%、石破茂元幹事長が26%、河野太郎デジタル相が9%だった。財政拡張・金融緩和推進派とみられる高市早苗経済安全保障担当相は5%にとどまった。各種世論調査と比べると、小泉氏の予想が多く、高市氏の予想が少ない印象である。その結果も影響してか、「自民党総裁選の結果は債券市場にどの程度影響を与えるか」については「ほとんどない」が52%で最多だった。なお、「次の衆議院の総選挙」の時期については、24年11月が最多で、約53.3%を占めた。
【大和証券 チーフエコノミスト 末廣 徹】
調査は8月27~29日にかけて実施し、債券市場関係者124人が回答した。
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