日銀の追加利上げが市場の関心事となっている。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した9月の月次調査<外為>で2024年末の日米欧の政策金利水準を市場関係者に聞くと、日銀は現状の「0.25%」を維持するとの回答が56%を占めた。1回あたりの利上げ幅を0.25%とした場合、1回の利上げを見込む「0.50%」は43%、2回の「0.75%」は1%だった。
今年7月末に日銀が追加利上げを発表し、米景気の不透明感もあり、8月の外国為替市場では急激に円高が進んだ。
9月19~20日に開く日銀の金融政策決定会合については、9割超の回答者が政策金利の「現状維持」を見込む。大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは「為替相場への影響や米大統領選に相場がどう反応するか見定める必要があり、自民党総裁選後に総選挙の可能性もあるため年内の利上げ実施には日程がタイトだ」と分析。日銀の利上げは早くて来年1~3月、春季労使交渉(春闘)の結果を待てば4~6月にずれ込む可能性もあると指摘した。
一方、米国の年末の政策金利は「4.50~4.75%」が43%で最多、「4.75~5.00%」が33%。9月17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は、政策金利を「0.25%引き下げる」との回答が9割を占めた。欧州中央銀行(ECB)の年末の政策金利は年内2回利下げを見込む「3.25%」が60%で最多。
27日投開票の自民党総裁選で誰が総裁に選ばれるかとの設問は、小泉進次郎元環境相が52%で首位。石破茂元幹事長が22%で2位、高市早苗経済安全保障担当相が14%で3位だった。
大和の石月氏は「小泉氏は刷新感がある」とし、「総選挙の可能性を考慮すると、自民党の顔としてある程度の得票が期待でき政権交代には至らない、として自民党内でも推す人が多いのでは」と語った。
総裁選で選ばれた場合に「最も円高に進む」とみられる候補は石破氏(26%)。河野太郎デジタル相(21%)が続いた。「最も円安に進む」とされた候補は高市氏(50%)で、「アベノミクス復活というイメージが広がりやすい」と評価された。
調査は9~11日に実施、金融機関や事業会社の外為市場関係者73人が回答した。
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