【QUICK Money World 荒木 朋】2025年の株式市場がスタートして早くも3カ月を迎えようとしています。この間、第2次トランプ米政権が始動し、トランプ大統領が推し進める関税政策に右往左往する相場展開が続いています。
QUICK Money Worldでは、会員の皆さんを対象に、これまでの相場動向を踏まえたうえで、今後1年(2025年4月~2026年3月)の日米株価指数の見通しや注目している銘柄、注目の材料についてアンケートを実施しました。
今回は2024年12月に実施した「みんなの2025年予想」の第2弾となります。今後は3カ月ごとに「みんなの株価予想」としてアンケートを実施・公表していく予定です。
日経平均、ダウ平均ともに最高値更新は望み薄?
日米の株価指数を代表する日経平均株価とダウ工業株30種平均について、今後1年の高値と安値がどうなるとみているか予想を聞きました。
日経平均については、回答の真ん中にあたる中央値でみると、高値が「4万1000円」、安値が「3万6000円」となりました。前回2024年12月に実施した調査では、高値が「4万3000円」、安値が「3万6000円」でした。前回調査と比較すると、安値の水準は変わらなかったものの、高値予想の水準は2000円切り下がった形です。
日経平均は半年ほど3万8000~4万円のレンジ相場が続いていましたが、2025年2月末にレンジの下限をついに下抜けて、3月に入ってからは終値で3万6000円台に下げる場面もありました。トランプ政権の関税発動による世界経済への影響などが懸念されるなか、岩盤と思われた3万8000円の下値支持線を割り込んだことで投資家の目線は切り下がらざるを得ず、2024年7月11日に付けた過去最高値(4万2224円)の更新はしばらく厳しいとみる人が増えたようです。安値予想は3万6000円で維持されており、この水準が今後の下値メドとして機能するか注目されます。
一方、今後1年のダウ平均の予想は、高値の中央値が「4万5000ドル」、安値が「3万9000ドル」となりました。前回調査では高値予想が「4万7000ドル」、安値が「4万ドル」で、今回の調査でそれぞれ2000ドル、1000ドル水準が切り下がる結果となりました。
トランプ米大統領が公約に掲げた規制緩和や減税政策などへの期待から、2025年当初のダウ平均は2月にかけて過去最高値(4万5014ドル)の更新をうかがう場面がありました。しかし、その後、トランプ大統領が「米国第一主義(=アメリカ・ファースト)」の旗印のもと、中国を含むあらゆる国に関税を実際に発動すると、急速に投資家心理が悪化し、調整色を強める展開になりました。
ダウ平均は相場の調整局面で何度となく下げ止まってきた4万2000ドルの水準を死守してきましたが、アンケート調査終了後の3月中旬に下値支持線を割り込んできました。2月下旬以降、ダウ平均は調整色を強める展開で投資家心理は慎重姿勢に転じているとみられ、過去最高値の更新は当面お預けとみる人が増えたようです。
今後のカギを握るのは引き続きトランプ政権の政策の動向になりそうです。トランプ関税が世界の実体経済に及ぼす影響を見極めるとともに、トランプ政権発足時に期待された規制緩和や減税などの景気刺激策が、米経済をどの程度下支えするか注意深く見守る局面が続きそうです。
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個別銘柄「銀行」「防衛」「半導体・AI」に関心 国内1位は三菱UFJ
今後1年で個人投資家が注目している銘柄は何でしょうか。注目する3銘柄(上限)をあげてもらったところ、今回の調査では、国内メガバンクの三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が12票を集めて首位になりました。次に三菱重工業(7011)とトヨタ自動車(7203)が同じ8票で続きました。三菱UFJと三菱重は前回12月調査(※)でも1、2位を占めた銘柄で引き続き人気を集めました。
(※)2024年12月調査は国内銘柄のみを対象
三菱UFJが注目される理由として、日銀が引き続き金融政策の正常化を模索している点が大きいようです。「金利上昇による増収増益を期待」「利上げと円高で利益拡大」とのコメントが寄せられました。「金融関連銘柄のど真ん中」と位置付けられる三菱UFJの株価動向は多くの個人投資家の関心を集めています。
2025年は注目テーマの1つに「防衛」が挙げられていますが、三菱重は「防衛関連の最重要企業」として引き続き関心の高い銘柄として注目されています。トランプ大統領は日本に対して防衛力の増強を迫る発言を繰り返しており、今後も折に触れて防衛に絡む「トランプ関連」の中核銘柄の1つとして話題になることは間違いないでしょう。
4位以下はAI(人工知能)半導体の世界最大手である米エヌビディアが7票、レーザーテック(6920)が6票、ソフトバンクグループ(9984)と東京エレクトロン(8035)がそれぞれ5票で続きました。
トヨタ自動車とエヌビディアが注目銘柄の上位に躍り出ているのは特筆すべき事象といえます。この2銘柄は日米の株式市場でトップ級の時価総額を誇り、ともに「日米を代表する銘柄」といえるからです。2銘柄とも年初以降の株価は弱含みで推移しています。日経平均とダウ平均が再び高値圏に浮上するにはトヨタ自動車とエヌビディアの上昇は欠かせないとみられるだけに、今後の2銘柄の株価動向は要注目といえそうです。
注目材料は「AI」「半導体サイクル」、「日銀の金融政策」も高い関心
最後に、今後1年の注目材料について聞きました(複数回答可、最大3)。最も多かったのは「人工知能(AI)」で、回答者の50.5%が注目材料に挙げました。好況と不況が3~4年程度の周期で入れ替わる半導体市況の特徴を指す「半導体サイクル」が30.5%で全体の3位となり、半導体やAIに対する関心の高さが示されました。
2024年の株式相場をけん引したエヌビディアを象徴とするAI関連株は2025年に入って急失速し、それが相場全体の弱さにつながっている面があります。2025年の半導体市場は電気自動車(EV)やスマートフォン向けの停滞が続く半面、引き続きAI向け需要の拡大が下支えするとの予測が大勢を占めています。AI関連株の復活と、年後半に向けて半導体サイクルによる半導体関連全体の底入れがみられるかが注目されます。
注目材料の2位、4位に入ったのが、国内関連の材料である「日銀の金融政策/国内金利」(33.7%)と「国内の景気」(28.4%)でした。日銀は2024年3月にマイナス金利の解除を決めて以降、同年7月と2025年1月に追加利上げに踏み切りました。今後も日銀は金融政策の正常化を進める意向で、次の利上げ時期がいつになるか関心を集めています。利上げに伴う国内景気への影響も警戒されつつあるため、今後の日銀の金融政策は要注目です。
ここまで、アンケート調査の結果をもとに、日米の株価見通しや注目銘柄などについてみてきました。マクロ面ではトランプ関税とともに、日銀の利上げ姿勢継続に伴う国内景気の行方に注目する個人投資家が多いことを示唆する結果となりました。懸念要因の多さから日米株価の見通しもやや切り下がる形になっていますが、皆さんはどう考えますか?自分の相場見通しと他の個人投資家の見通しを比較して、ぜひ今後の投資のヒントに役立ててください!
<アンケート実施概要>
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