ニューヨーク・タイムズ電子版は6日、トランプ米政権の経済政策の司令塔であるゲーリー・コーン米国家経済会議(NEC)議長が辞任すると報じた。これを受け、ドルは急落。対円では一時1ドル=105円台半ばまでドル安・円高に振れた。トランプ政権の経済政策の先行きに警戒感が出ているもよう。
GLOBEXの時間外取引でCME日経先物(円建て)が21265円まで下げ、清算値比で300円超の大幅安となっている。前日のOSE日中終値比で185円安。コーン氏の辞任報道を受け、ドル安・株安の流れとなっている。
米国市場では時間外取引で主要株が軒並み売られている。再び通商問題に関する懸念が高まり、ゴールドマン・サックスやアップル、エヌビディア、キャタピラーなどで下げが目立つ。
コーン氏は元ゴールドマン・サックス社長兼COOで、ウォール街の信任が厚い。同じくゴールドマン出身のスティーブン・ムニューシン財務長官と共に経済政策運営にあたっていたが、過去にも辞任観測がたびたび伝えられていた。昨年8月には米バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者と反対派の団体が衝突した事件を受け、トランプ大統領の対応に懸念を示していたとされる。
今回、トランプ大統領が打ち出した鉄鋼・アルミに対する高関税措置には反対の意向で、対中国を念頭に高関税を推進するウィルバー・ロス商務長官やピーター・ナバロ氏らとの対立が深まっていた。
市場では、鉄鋼・アルミへの高関税の実現可能性が高まったとの思惑が浮上。貿易紛争が世界経済の下押し要因になるとの懸念が再び広がった。
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