投機筋がポジションを縮小させているようだ。米商品先物取引委員会(CFTC)が11日発表した8日時点の建玉報告によると、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で投機筋(非商業部門)による原油先物の買越幅は3週続けて縮小した。前週比1万799枚少ない67万9928枚と、前週に続いて3月13日以来ほぼ2カ月ぶりの小ささになった。原油先物価格はじり高基調にあるものの、先物の買い建玉は4月中旬をピークに3週連続で減少。投機筋が利益確定を進めている様子が浮かび上がるだけに、先高感が薄らいでいる可能性もある。またシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で投機筋(非商業部門)による円の持ち高は2週続けて売り越しとなった。売越幅は前週比4057枚多い5462枚だった。実態は買い建玉の減少が続いたことが背景にある。約5000枚ほど減って5.1万枚程度になった。売り建玉も約1000枚減少し、買いと売りの合計建玉は15.7万枚に減った。投機筋は円の売りポジションを構築しているというより、手仕舞いを進めたと見た方が良さそうだ。(岩切清司)
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