15日の米国市場で恐怖指数のVIXが大幅続伸し、13.14%高の14.63で終えた。この日の米国市場でダウ工業株30種平均が9営業日ぶりに大幅反落し、米長期金利が2011年以来となる3.09%の高水準に上昇する中、株安・債券安・ドル高の展開となったことでVIXも大幅高となった。VIXの上昇率は4月6日(13.46%)以来、1カ月ぶりの大きさだった。ダウの下げ幅は一時270ドル02セントに達した。
この日はスキュー指数も2.08%高で大幅高となり、4月19日(138.20)以来、約1カ月ぶりの高水準を回復した。スキュー指数は「ブラックスワン指数」とも呼ばれ、S&P500指数を対象とするオプション取引でコールに対するプットの需要の強さを表すものである。VIXは投資家の不安心理の高まりを示すとされる20の大台を下回ったままだが、スキュー指数は相場の方向性に遅行性があるとされ、さらなる上昇余地があると言える。2、3、4月には3カ月連続で140を超える局面があっただけに、5月も相場が不安定な展開となる過程では思わぬ上昇となる恐れがありそうだ。(片平正二)
【恐怖指数のVIXとスキュー指数がともに上昇傾向】
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