4日の米国市場で投資家の不安心理を示す恐怖指数のVIX指数が続落し、前週末比5.34%安の12.74で終えた。一時は12.69まで下げ5月25日以来、約2週ぶりの低水準をつけた。この日の米国市場でS&P500種株価指数が0.44%高で続伸し、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新するなどハイテク株主導で堅調な展開となる中で、相場全体のボラティリティーが低下した。
一方、スキュー指数も前週末比1.36%安の132.70で続落し、5月10日以来、約1カ月ぶりの低水準を付けた。スキュー指数はS&P500指数を対象とするオプション取引でコールに対するプットの需要の強さを表し、めったに起こらない大惨事を意味する「ブラックスワン(黒い白鳥)」を代名詞に持つ。
スキュー指数は5月30日に143.89まで上昇して4月18日以来、1カ月半ぶりの高水準に達していた。しかし、S&P500が直近安値を付けたのは5月29日で、スキュー指数は相場に1日遅行してピークアウトしていた。VIXが直近高値を付けたのはS&P500が底入れした5月29日で、短期的に相場の天井・大底を探る上でVIXの優位性が示される5月末の調整局面だった。(片平正ニ)
※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。