トルコが通貨安、債券安、株安の「トリプル安」に見舞われている。通貨リラの下げは6日のニューヨーク外為市場で一時1ドル=5.4リラ台(グラフ青)でまでドル高・リラ安が進み、最安値を更新した。対円(グラフ緑)でも1リラ=20円台半ばまで円高・リラ安が進んだ。
トルコの7月のインフレ率は前年同月比約16%に達し、経常赤字も大きい。トルコ在住の米国人牧師の解放問題を巡り、米国との関係が悪化したことでリラ売りが加速した。10年物国債利回り(グラフ赤)は18%台へ上昇(逆目盛、下方向が金利高)している。
さらにトルコ株の上場投資信託、「iシェアーズ MSCIトルコ ETF」も急落した。6日は前週末に比べ7.45%安い24.96ドルとなり、世界的な金融危機に見舞われた2008~09年ごろの安値水準すら視野に入れた格好。下落率は16年6月以来およそ2年2カ月ぶりの大きさだ。通貨安による自国内のインフレ加速が景気に下押し圧力として働くとの警戒感が株安につながっている。(池谷信久、岩切清司)
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