2018年7~9月期(3Q)の米企業決算発表シーズンが12日のJPモルガン・チェースやシティ・グループ、ウェルズ・ファーゴなどを皮切りに本格化する。
ファクトセットの8日付のリポートによれば3Qの期間中にS&P500種株価指数は7.2%上昇したが、アナリストらはS&P500が今後1年間で10.5%上昇すると予測しているという。4日時点のS&P500指数のボトムアップの目標価格は3205.51で同日のS&P500指数の終値(2901.61)を10.5%上回る水準となっていた。
今回の決算では、相場のボラティリティの低下などを受けて金融セクターの業績が厳しいとみられる一方、原油などの資源価格の回復を背景にエネルギー関連は好調となりそう。前出のファクトセットのリポートでは目標株価が高いセクターは素材(+16.2%)、コミュニケーションサービス(+14.6%)などの順となっている。
QUICK FactSet WorkstationでS&P500の予想株価収益率(PER、2期先)を見ると現在は16.24倍で、S&P500指数が史上最高値圏にある割に年初の18倍台から大きく低下している。
トランプ政権の減税策などが寄与した状況で、既にアナリストの目標株価が高いことからも決算シーズンでの好業績ラッシュへの期待値の高さがうかがえる。(片平正ニ)
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