米連邦準備理事会(FRB)は30日、米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決めた。公表した声明文は「段階的な追加利上げ」が正当化されるとの文言を削除、金融政策を「忍耐強く」判断するとの文言を挿入し、利上げの休止を示唆した。2017年秋から開始したバランスシート縮小についても「修正する用意がある」と見直す姿勢を示した。
満額回答ともいえる金融引き締めに慎重な「ハト派」的な内容を受け、米国市場では長期金利が低下し、株価が急上昇した。米10年債利回りは2.68%台へ低下、ダウ工業株30種平均の上げ幅は430ドルを超えた。
■「利下げ」が織り込まれつつある
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループの「Fedウオッチ」によると、2019年中の利上げ確率は29日の19.2%から10.5%に低下する一方、利下げ確率は6.8%から9.4%に上昇した。政策金利の維持は72.0%から79.6%へ上昇している。(池谷信久)
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