6日に発表された2018年12月の独製造業受注は前月比1.6%減と市場予想(0.3%増)に反して大きく落ち込み、2カ月連続のマイナスとなった。前年比でも7.0%減と市場予想(6.7%減)を下回った。主要輸出国先である中国の景気減速からドイツの自動車産業の不振が懸念されるなか、英EU離脱や貿易摩擦などの不透明感が追い打ちをかける。
ドイツの18年第3四半期GDPは15年以来のマイナス成長となっていたが、来週14日に発表される第4四半期GDPの下振れを警戒する声も上がる。2四半期連続のマイナス成長となれば、ドイツ経済はリセッション入りとなる。3月7日に開催されるECB理事会における緩和バイアスの思惑が強まりそうだ。
■独製造業受注と独GDP、ユーロ圏GDPのチャート(QUICK Factset Workstationより)
一方、昨日入札された30年物のイタリア国債は、80億ユーロの発行予定に対して過去最高となる410億ユーロの需要を集め、予定額が発行された。
イタリアは2四半期連続のマイナス成長となりリセッション入りしたとの観測が高まっていた。マイナス成長を嫌気してイタリア国債とドイツ国債のスプレッドは拡大する局面もあったが、足元ではユーロ圏全体の景気減速懸念を背景に、より高い利回りを求めてイタリア国債にも買いが入っていた。(丹下智博)
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