8日の株式市場でソフトバンクグループ(9984)株が逆行高し、約4ヵ月ぶりに1万円の大台を回復した。6日の大引け後に決算発表と併せて発行済株式数の10.3%にあたる1億1200万株(6000億円)を上限とする自己株式取得を発表。7日の17%高に続き、市場に与えた衝撃が続いた格好だ。
この日の終値は前日比0.53%高の1万0015円。午前中は1万0270円まで買われる場面もあった。
先日の説明会で孫正義会長兼社長は、自己株式取得の理由を「25-4=9?」とユニークな数式で説明した。ざっくりというとビジョンファンドなどの「保有有価証券25兆円」から「実質有利子負債4兆円」を差し引くと「実質企業価値21兆円」となるはずなのに、2月時点の時価総額が9兆円というのは少なすぎないか? というのが孫氏の考えだ。
自己株式取得の原資は通信子会社ソフトバンク(9434)の新規株式公開(IPO)で得た資金。取得する自己株式はすべて消却する方針だ。孫子の兵法ならぬ「孫氏の兵法」で発した株価上昇への強いメッセージが市場関係者の関心を集めたようだ。
ちなみにソフトバンクの株価は前日比2.75%安の1270円と、公開価格の1500円がまた一段と遠のいた。(山口正仁)
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