聞いていて気の毒になるぐらいのガラガラ声だった。この日、一番荒れていたのはメイ首相の喉、次に外為市場、続いて英株式市場。議会の荒れもようはある意味、想定内といったところか。
英議会下院は日本時間13日未明、欧州連合(EU)からの離脱協定案を再び大差で否決した。外為市場では直後に英ポンドが対円で146円台に上昇したが、すぐに押し戻された。
英ポンドは採決前にも大きく振れた。欧州時間朝方は147円前後でのもみ合っていたが、英国のジェフリー・コックス法務長官が、EUとの共同文書に関して「法的に保証するものではない」との見方を示したことで、144円台に急落する場面もあった。
★英FTSE100版恐怖指数(VFTSE、グラフ緑)と恐怖指数VIX(グラフ青)
(QUICK FactSet Workstationより)
12日の英国市場では英FT100版の恐怖指数であるVFTSEが3営業日ぶりに反発して4.93%高の13.30で終えた。採決が控える中で主要指数は狭い値幅でのもみ合いとなったが、コックス法務長官が現地時間昼前に、アイルランド国境のバックストップを巡ってEUのルールから一方的に抜けられない「法的リスクは残る」との見解を示すと、通貨安を受けてFT100が上昇した。欧州版恐怖指数のVSTOXXは2.25%安の13.83で続落して終えたが、英FT100は株高にも関わらず、ボラの低下基調がやや一服する展開だった。
英議会は13日に「合意なき離脱」の是非を問う採決を行い、否決されれば14日に「離脱延期」を採決する予定となっている。(池谷信久、片平正ニ)
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