マーケットの「令和」時代はいつになったら幕を開けるのか、早く初日(白まる)が出ないかな、と誰もがやきもきしているだろう。
しかし、米中関税戦争、さえない経済指標など国内外でネガティブな要因が出る中、市場参加者の先高期待はなかなか高まりにくい。QUICKが13日に発表した5月の株式月次調査では5月末、7月末、10月末のいずれも日経平均株価の見通しは最頻値、中央値とも2万2000円がずらり。単純平均で徐々に上向いてはいるが、切り上がり幅はわずかだ。
■1ヵ月後、3ヵ月後、6カ月後の日経平均とTOPIXの予測値(5月のQUICK株式月次調査より)
バンクオブアメリカ・メリルリンチが14日発表したファンドマネジャー調査でも、日本株に対する慎重姿勢がうかがえる。グローバル投資家が向こう12カ月で日本株を「最もオーバーウエートしたい」と回答した割合から「アンダーウエート」を差し引いた値はマイナス9%でアンダーウエート優勢。日本株専門家の現金保有比率は、過去15年でみた中でも高い水準だ。
あるストラテジストが語る。「中長期志向のファンドマネジャーに話を聞くと、外部環境が不透明ないままあえて日本株を買うとの声は非常に少ない」。”想定よりも悪い”19年3月期決算を受けて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は14日付リポートで、アナリストの業績見通し修正の方向性を示すリビジョン・インデックスの改善がしばらく先送りになる、との見方を示す。
カタリスト不在の日本株市場と慎重な市場参加者。こうした状況では、株式相場の持続的な上昇は見込むほうが難しい。反発が一時的にとどまる可能性もあり、注意したほうがよさそうだ。(松下隆介)
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