QUICKコメントチーム=片平正二
17日の米国市場ではNY金先物が反発し、中心限月8月限の清算値は12ドル10セント(0.85%)高の1トロイオンス=1423ドル30セントとなった。中心限月の清算値ベースで2013年5月14日以来、6年2カ月ぶりの高値水準を回復したことになる。この日は在庫統計を受けてWTI原油先物が1.45%安で大幅に3日続落したものの、金相場の大幅高を受けてCRB指数は0.36%安と小幅安にとどまっていた。
米株安を受けてドル安が進む中でNY金先物が買われやすい地合いだったうえ、世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエーツを率いる米著名投資家のレイ・ダリオ氏が17日にリンクトインに「パラダイムシフト」と題する投稿をして株ではなく金(ゴールド)への投資をアドバイスしたことも買い材料視された。
★レイ・ダリオ氏のリンクトイン
その中では「ほとんどの中央銀行が通貨の価値を下げることを望んでいる場合、次善の通貨を検討するのも良い機会だ。ほとんどの人は現在のリスクある投資で株式、レバレッジド・プライベート・エクイティファンド、ベンチャーキャピタルなどを考えていると思うが、私はこれらが実質的に良いリターンをもたらす投資となる可能性は低いと思う。バランスの良いポートフォリオを持つために金を追加することは、リスク軽減と収益向上の両方に繋がるだろう」と指摘していた。
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