QUICKコメントチーム=池谷信久
日本証券業協会が22日に公表した6月の公社債店頭売買高で、生損保の超長期債投資が継続していることが明らかになった。30年債利回りは5月末の0.460%から6月末には0.355%へ約0.1%低下したが、買い越し額が3203億円と5月の3170億円と同レベルだった。背景には外債投資の利回りの低さがある。
米10年国債の利回り(①)は2%を超えているが、為替ヘッジ後の利回りはマイナスになっている。一方、仏10年国債の利回り(②)はマイナスだが、ヘッジを付けることで若干のプラスになっている。ただ、その利回りはJGBの20年債(③)よりも低く投資妙味は乏しい。
海外の中央銀行は緩和姿勢を強めており、外債の利回り上昇はますます期待しにくくなっている。行き場の無い生損保マネーが超長期債に向かう動きは当面続きそうだ。
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