QUICKコメントチーム=丹下智博
25日に発表された7月の独Ifo企業景況感指数は95.7と6月の97.5(改定値)から1.8ポイント低下した(棒グラフ緑)。市場予想(97.1)を下回り、2018年9月以降の低下基調から一向に回復の兆しが見られない。
独製造業部門のマインド悪化はより深刻だ(折れ線グラフ黒)。これまで下支えとなっていたサービス部門も低下幅を拡大しており(折れ線グラフ黄)、ドイツ経済の失速は避けがたいようだ。
独連銀は23日に発表した7月の月次報告書でもドイツの第2四半期のGDPがマイナス成長になる可能性があると従前よりの悲観的な見通しを繰り返した。このためマーケットの一部では「25日の理事会で利下げも」との観測が強まり、独10年債利回りは一時過去最低水準を更新していた。
結局、ECB理事会では政策金利据え置きを決定。同時にフォワードガイダンスを修正し9月の追加利下げを示唆するとともに、量的緩和政策の再開を検討していく方針を決めた。ただ、ドラギ総裁は会見で今回は利下げを議論しなかったことを明らかにした。前のめりになっていた市場には失望感が生じた面もある。
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