QUICKコメントチーム=丹下智博
米中貿易戦争が激化するとの警戒から、世界的にマネーの質への逃避が加速している。2日の欧州債券市場ではドイツの30年物国債利回りが一時マイナス0.006%に低下(債券価格は上昇)した。独国債の利回りがすべての年限でマイナスとなるのは初めて。
世界景気の減速懸念が、株式などのリスク性資産から債券など安全資産への資金シフトを促しており、2日の独株式指数(DAX)は3.1%安と今年最大の下げを記録した。
同2日に発表された7月のユーロ圏生産者物価指数(PPI)は前月比▲0.60%と市場予想(▲0.25%)を下回り、6月(▲0.10%)から下げ幅を拡大した。前年比でも0.70%と市場予想(0.95%)を下回り、6月(1.6%)から鈍化した。製造業の減速基調と低迷するインフレ率が、引き続き欧州中央銀行(ECB)の緩和バイアスを勢いづけることになりそうだ。
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