世界市場で中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)に関心が集まっている。21日の香港取引所では同社株が4営業日続伸し、前営業日比2.38%上昇した。QUICK FactSet Workstationによると米ドルベースの時価総額は5185億㌦(約58兆円)に達し、中国企業としては初の大台越えとなった。
この規模感は、ネットの巨人が乱立する米市場と比較しても引けを取らない。米フェイスブックの時価総額は同日の米市場の取引終了時点で5284億㌦で、テンセントはフェイスブックの背中を完全に射程圏に収めたといえる。一部報道では、一時的にでも逆転現象が起きたとも伝わった。
テンセントのビジネスモデルはフェイスブックに近い。SNSを運営し有料サービスを展開している。さらにチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」が中国市場で大きなシェアを占め利用者数が10億人に迫っている。また同アプリの決済機能も普及し中国におけるキャッシュレス化に一役買っている。
テンセント経済圏の拡大は業績にも反映されている。1年前の四半期決算で増収率はおおむね30~40%台だった。直近の2四半期では50~60%超に加速している。同社の利益成長に対する市場の期待が企業価値の拡大に結び付いているようだ。