2019年度は株式投資への「強気」な見方が減り、債券「強気」派が急増ーー。QUICKが11日まとめた月次調査<株式>によると、国内株式の強弱指数(「強気」と答えた比率から「弱気」と答えた比率を差し引いた値)はプラス12と、18年度のプラス41から29ポイント低下した。米国株式はプラス10と21ポイント低下し、欧州株式はマイナス38と弱気に転じた。米中の貿易戦争による世界経済の減速が投資家心理の重荷になっている。
■強弱指数(「強気」―「弱気」)
※2018年度は2018年4月調査より
調査期間は5~7日。証券会社や機関投資家の株式担当者に「国内株式」「米国株式」「欧州株式」「新興国株式」「国内債券」「米国債券」「欧州債券」「国内外REIT」「コモディティー」の9つのアセットクラスについて、19年度の見通しを「強気」「中立」「弱気」で聞いた。137人が回答した。
国内株式は強気の割合が18年度の54%から30%へ大幅に低下し、中立の見方が過半数を占めた。世界景気の拡大と企業業績の伸びが期待されていた18年度から一転、19年度は景気減速の懸念が広がるとともに、企業業績の下方修正が相次ぎ、先行きに慎重な見方が増えた。
一方、債券に対しては楽観的な見方が増えた。強弱指数をみると、19年度は国内債券がプラス1、米国債券がプラス9、欧州債券がプラス2と、いずれも強気が弱気を上回った。18年度は米国と欧州の債券に対する弱気派が4割を超えていたが、19年度は大幅に減少している。利上げなど金融引き締めのムード強かった18年度とは打って変わり、19年度は米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が引き締めから距離を置く「ハト」色が濃くなっており、債券投資にはプラスだ。
国内外REITは強気派の比率が20ポイント増加し、コモディティーは中立が8割を占めている。
(QUICKナレッジ開発本部 篠原直樹)
※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。