日本株に対する国内機関投資家の弱気姿勢が際立っている。QUICKが10日発表した6月の月次調査によると、日本株の組み入れ比率を示す指数が39.7と、2009年3月(37.7)以来、およそ10年ぶりの低水準となった。09年3月はリーマン・ショック後の経済停滞で、日経平均株価がバブル後最安値(7054円)を付けた局面だ。米中貿易戦争などで世界景気の先行き懸念が広がるなか、投資家マインドは委縮している。
6月の調査は4~6日に実施した。足元の国内株式の組み入れ比率に対する機関投資家のスタンスを指数化した数値(50を下回ると弱気)は前月から一気に5.4ポイントも下し、40の節目を割り込んだ。。
内訳をみると、「ややアンダーウエート(弱気)」と回答した投資家が49%と5月から27ポイント拡大した。「かなりアンダーウエート」の3%と合わせ、半数以上の投資家が弱気姿勢であることを示す。一方、「ややオーバーウエート(強気)」が8%と11ポイント減った。
今後の組み入れ比率の方向性を示す指数は51.9と、前月から0.5ポイント改善しているが、中身をみると、「やや引き上げる」が13%と4ポイント減った。「かなり引き下げる」との回答は3%がゼロになった一方、「現状維持」の投資家は82%と8ポイント増え、多くが様子見を決め込んでいることをうかがわせた。
株に対する弱気の背景にあるのは、いうまでもなく米中貿易戦争の先行き不透明感だ。株価の変動要因として「政治・外交」に注目する回答者は42%と、03年3月以来の高水準となった。「政治的な不確実性が多すぎて市場の先行きを予想することが困難な環境」(証券会社)という。
さらに日本企業の業績に対する不安ものぞく。「米中通商交渉は長期化が避けられず、中国の景気・企業業績の悪化懸念が強まるなか、(これに相関性が高い)日本企業の業績見通しも下方修正含みになるだろう」(信託銀行)との声があった。
(QUICK NewsLine)