QUICK資産運用研究所=西本ゆき
アクティブ運用の神髄を紹介する「アクティブ投資ナイト」が11月29日夜、東京・茅場町で初めて開催され、投信ブロガーや業界関係者ら40人あまりが参加した。主催したのはネット経由で融資を仲介するソーシャルレンディング事業を手掛けるクラウドクレジット(東京・中央)。アクティブ運用の第一人者が登壇し、それぞれの運用哲学を熱く語った。
ヘッジファンド型のアクティブ運用で実績のあるGCIアセット・マネジメントの山内英貴代表取締役CEO(最高経営責任者)は「グローバル化が進み、世界市場の連動性が高まっている中で、今までの分散投資が真の分散効果を発揮しなくなる」と説いた。米国大学基金のエンダウメント運用(大学への寄付金を活用した分散投資手法)を例に挙げ、不動産などのオルタナティブ(代替)資産への投資や、ヘッジファンドの投資手法を個人投資家も取り入れていくことが必要になると強調した。
「長期保有を通じて、経営者の良い伴走者でありたい」――。こう話すのは、コモンズ投信の伊井哲朗社長だ。経営者に対して厳しい意見が言えるアクティブ投資家の存在が企業価値の向上につながるとの考えを示した。
また、クラウドクレジットの杉山智行代表取締役社長は「資産運用を考える余裕のある日本に生まれたからには、そうでない地域へ投資して世界を幸せにすることが社会的意義だ」と指摘。同社が進める発展途上国向けのファンドに投資できるサービスを含め、「様々な形の金融商品が日本に広がれば」と意欲を見せた。
個人投資家が資産形成に利用しやすい商品の一つである投資信託は、市場平均に連動した運用成果を目指す「インデックス型(指数連動型)」と、それ以上の好成績を狙う「アクティブ型(積極運用型)」の2タイプがある。最近は運用コストの安いインデックス型に関心が集まる傾向があるが、今回初めて開催された「アクティブ投資ナイト」はアクティブ運用の魅力を改めて確認し、発信するイベントになった。