QUICKコメントチーム=池谷信久
上のチャートにあるように年末年始は円高に振れるケースが多い。1月3日に為替市場で円が急騰したフラッシュ・クラッシュ(瞬落)が発生したこともあり、2020年初の円高リスクを警戒する市場参加者が少なくない。
ただ、今年の初めと足元では環境が大きく違う。18年の10から米景気は鈍化していたが、足元の経済指標には底入れ感がみられ、米連邦準備理事会(FRB)は利下げ打ち止めを示唆している。
また、これまでの年初の円高局面に比べ、投機筋の円売りポジションが積み上がっていない(黄色部分)のも大きい。ポジション巻き戻しによる円高リスクは小さく、フラッシュ・クラッシュの可能性は高くないといえそうだ。
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