QUICKコメントチーム=池谷信久
2019年の米債市場で特に注目されたのは、8月に起こった長短金利差の逆転(逆イールド)だろう。逆イールドの発生は景気後退の予兆として、株安を招く一因にもなった。
金利差は縮小(逆イールド)は市場が利下げを織り込むことで起こるのが基本的だ。10月以降は米中貿易協議に対する警戒感は和らぎ、利下げ期待の後退とともに金利差は拡大した。足元は30ベーシスポイント(bp)レベルまで上昇し、18年後半の利上げ局面の水準を回復している。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ論議は時期尚早だが、市場の景気先行き不安は後退したようだ。
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